

毎日の生活の中の「隙間」を利用して、無理なく勉強することが長続きの秘訣です。でも、時には一大決心をして、英語を猛勉強してみようと思うかもしれませんね。たとえば、仕事の終わったあと、毎週2回近くの英会話スクールに通うとか、毎週土曜に集中コースに通うとか。もしかしたら、今まで自分一人で勉強してきた成果が上がって、かなり難しいクラスに入るための試験に受かってしまうかもしれません。新学期、語学学校の週2回のコースに申し込んでしまいました。さあ、こうなると、今までのように、電車の中や待ち時間にテキストを見ているくらいではすまなくなります。仕事もあるのにそんなに英語を勉強することができるのか、あなたは少し不安でもあります。でも、ここで本物のステップアップしたい。そうなれば、予習も復習もしなければなりません。課題もこなさなければなりません。ドロップアウトしたくない。大丈夫かしら?結論から言いましょう。期限を定めて、その期間だけは英語を中心に生活することにします。
私は、予備校を分類すると二種類あると思っています。「強者の予備校」と「弱者の予備校」です。「強者の予備校」とは、「受かることを前提にしている予備校」のことです。そこの生徒はみんな優秀とみなされ、基礎は完璧にでき上がっていることが前提になっています。「強者の予備校」では、進学校に通う偏差値の高い生徒を授業料無料の特待生として集め、その生徒たちが理解できない難度の高い問題を教えます。その他の成績が悪い生徒は完全に置いてけぼりです。基本的な質問をすると、「ここは大学受験のための予備校で、高校受験のための塾ではない」と嫌がられます。結局は授業が分からないまま受験を迎えてしまいます。これでは合格するはずがありません。
人間が言葉を習得していく過程を考えてみましょう。ひとりの赤ん坊が育っていくスタート段階で、もしもだれも語りかけなかったとしたら、たぶんその子はしゃべれるようにはならないでしょう。まわりのおとながしゃべる言葉を聞いて、それを自分で再生したり、修正したりしながら子どもは言葉を獲得していきます。そうして、1歳、2歳、3歳と、時間とともに子どもは数多くの言葉を自分のものにして、だんだんしゃべれるようになってきて、5歳、6歳ごろ、ちょうど小学校に入る前後から読んだり書いたりできるようになってくるというプロセスがあります。中学受験の準備を始める4年生は10歳。受験をする6年生でも、まだ12歳。こうしてみると、中学受験のための勉強をしている子どもたちは、じつはまだ言葉の初心者なのだということをあらためて感じます。ふだんの日常生活のなかで、子どもたちは生意気なことをいったり、一人前の口答えをしたりして、日常の会話にはまったく困らないようにみえます。ところが現実には、子どもたちは日本語を話し始めてまだ10年たつかたたないかぐらいです。読み書きにいたっては4、5年くらいしかたっていません。そのことを思えば、字がへたくそだったり、きちっとした文章が書けなかったりしてもあたりまえ。中学受験準備期の子どもたちの言葉の力は、まだ半熟状態です。未完成で、不完全で、これからまだたくさん言葉を覚えなければならない過渡期にあるのだということを、まわりのおとなは心得ておいたほうがいいでしょう。
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